ギャラリー
ニセコウパシギャラリーとニセコ松風
写真:渡辺洋一
DATA
北海道倶知安町・ニセコウパシギャラリー ニセコ松風
家族構成/本人40代、妻30代 構造規模/木造(在来工法)・2階建て 延床面積/155㎡(約46.88坪)(カーポート別・物置含む)<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル、外壁/トドマツ板張、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:木製サッシ(トリプルガラス)<主な内部仕上げ> 床/トドマツ無垢板、壁/プラスター 藁練込、天井/構造材あらわし<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/FP(B3)100㎜打込、壁/高性能グラスウール24㎏105㎜+50㎜、屋根/高性能グラスウール24㎏105㎜+105㎜<暖房方式> パネルヒーター
COMMENT
私が20年以上遠ざかっていたスキーに40代後半にはまってしまったのは、写真家 渡辺洋一さんのおかげです。当時バックカントリースキーの世界では知れ渡っていた方でしたが、私は知らず、冬の建築予定地の状況を見に行った時に雪山に連れて行かれ、パウダースノーを初めて滑り、魅せられてしまいました。
渡辺さんには周りの空気に振り回されない独自の審美眼があります。特に環境や景観に関する問題意識や、人の手仕事に対して共鳴するところが共通していたこともあり、私の設計スタイルにも目を留めていただけたようです。
この建物には、渡辺さんの写真を展示する「upasギャラリー」とともに、1階には「和菓子工房 松風」があります。そこには和菓子職人である妻の渡辺麻里さんの和菓子教室を開くためのコーナーが用意されています。ファンの方はもうご存知かもしれませんが、現在は完全予約制で開催されています。
打ち合わせ中から細かな設計の話よりも、木を使う意味、景観、環境、エネルギーについてよく話し合いましたが、渡辺さんの発信力はさらに広がり、中でも特に力を注がれているのが[Stuben]マガジンの発行です。雪国で暮らす中ではぐくまれた生活、景観、美術や文学などの文化に着目した興味深い本です。特に冬をより楽しむことが持続可能となるための環境、エネルギーについて、オーストリアやスイスまで取材に行くなど、とても読み応えのある本ですので、皆さまにも是非お手に取っていただきたいと思います。このような活動があのニセコの家から生まれたことを大変嬉しく思っています。
http://stuben.upas.jp/
私たちもささやかながら協力させていただいた5号です
http://stuben.upas.jp/magazine/05/