ギャラリー
森の生活への移行




2階ダイニングから森を望む。夕方には地平線に陽が沈むのを楽しむ。不思議なくらい静かでゆっくりとした時間がここにはある。窓は室内からすべてのメンテナンスができる、フィンランド製の木製断熱サッシ

玄関土間に置かれた小さな薪ストーブ。厳寒の美瑛にて、このストーブ一台だけで浴室以外のすべての空間を暖めた

エントランスから2階のダイニング方向。階段手すりを兼ねた本棚で柔らかく遮る

ダイニングからキッチンを見る。古材のストックから選んだ大梁に登り梁をかけた構造が、そのまま現れたデザイン。テーブルはオーナーと弊社スタッフで組み立てて仕上げた



DATA
北海道美瑛町・武部さん宅+VILLA e PIZZERIA iLcoVo(イルコーヴォ)n家族構成/夫婦n構造規模/母屋:木造・2階建て、離れ:木造・平屋建てn敷地面積/8411.37㎡(約2544坪)n延床面積/母屋:163.84㎡(約49坪)、離れ:59.62㎡(約18坪)
COMMENT
首都圏にお住まいだったご夫妻が、美瑛の郊外に自宅と小さな宿をつくるという。この移住により、今までの都市型の消費生活から森に囲まれたスローライフに一転することになりました。私としては自然に森の生活に移行できるような設計を心がけました。nn2階建ての母屋で暮らしながら、平屋建ての離れを1日1組限定でこだわりのナポリ料理をふるまう宿として使う想定。キッチンにはコンパクトではあるが大量の熱がでる石釜があり、オーナー得意のピザが焼かれます。母屋の玄関には薪ストーブを置き、厳寒の美瑛にて、このストーブ1台だけで浴室以外のすべての空間を暖めます。nn基本的に建物本体は勿論、キッチン、洗面、浴室から家具まで大半は現場でつくります。手すりやテーブルの脚も町の鉄工所で製作。照明も弊社のスタッフや市内のガラス工場、現場でその大半がつくられています。工事のいろいろなシーンでオーナーご夫妻も積極的に作業に加わり、皆でつくり上げた充実感のある建物になりました。