ギャラリー
北海道から京都へ引き継がれる暮らし

2階Kさん世帯のダイニング・キッチン。ガス台正面のレンガ壁は親世帯でも採用。油はねが気にならず手入れが楽とKさんの奥さん、お母様から好評

玄関からダイニングへは大きな窓が2面。庭の木が育ったらダイニングへのアプローチとしても楽しみ

1階リビング。オーディオ台は引っ越し祝いとしてお父様のいとこから贈られたイージーオーダーのもの

共有のゲストルーム兼2世帯をつなぐ和室。あえて天井を低くし、畳に座ったときに落ち着く空間に。照明は天井にはなし。壁のコンセントから電源を取り間接照明を入れる予定。建具は以前の家のものを再利用した

重厚な印象に仕上げた1階の親世帯。天井を構造現しにしている点でも2階とずいぶんと印象が異なる。食器や家電は造作の棚にすべて収納されすっきり

和室からみた親世帯の玄関

親世帯の玄関から見て90度の角度の位置にある子世帯の玄関

子世帯へ続く階段と2世帯をつなぐ和室。印象の異なる2つの空間をこの階段が違和感なくつなぐ

Kさんの娘さんの部屋。家族で一部を塗った壁はいい思い出に

2階のダイニング。キッチンの天板を木にするのは大反対だったという奥さん。しかし一年使ってみて大満足。「水や油の跡が全然気になりません。洗面台にも木を使いましたが、どちらも温かみがあってよかった」

お風呂場にはヒーターを設置し、ヒートショックの心配もなく家の中で一番乾燥した場所に。洗濯物もすぐに乾きスギ板の壁もカビとは無縁

壁はトイレも含めすべて塗り壁。「質感がいいし音の反射が柔らかでアラも汚れも目立たないので」と、フーム空間計画工房では現在100%塗り壁を採用

スギ板の外壁は、地域の景観に関する条例に配慮しつつ2色使いに。正面が子世帯の玄関、右手の庭側に親世帯の玄関がある。今後庭には、ユズや北海道では育てづらいイチジクなどを植える予定
DATA
京都府京都市・Kさん宅n家族構成/夫婦30代、子ども1人、両親n構造規模/木造(在来工法)・2階建てn延床面積/162.32㎡(約49坪)n<主な外部仕上げ> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/スギ板張、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:木製サッシ(Low-E・ペアガラス+単板ガラス)n<主な内部仕上げ> 床/スギ材 一部畳敷、壁/藁入SSプラスター左官、天井/1F:構造現し(合板+梁現し) 一部藁入SSプラスター左官・2F:合板+胴縁材張n<断熱仕様 充填断熱> 基礎/ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板100㎜、基礎下/ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板50㎜、壁/高性能グラスウール16㎏105㎜、屋根/高性能グラスウール16㎏240㎜n<暖房方式> エコジョーズ セントラルヒーティング
COMMENT
1995年にご両親の依頼で北海道に住宅を建てたご縁で、21年後に息子さんであるKさんから京都での建築依頼を受けるという、とても長く貴重なお付き合いのお宅です。ご両親と一緒に暮らすための二世帯住宅としてプランを進めました。nn夏は暑く冬は寒い京都で、季節を問わず快適に暮らしたいというご要望もあり、断熱・気密は北海道の仕様に準じています。夏の湿度が高いエリアでは北海道の仕様は向かないという人もいますが、冷房で冷やし過ぎない限り逆転結露も起きません。断熱性能が高くて悪いことはないのです。加えて、日射遮蔽と通風をいかにきちんとするかが大事なのです。nn1階の親世帯は木部をオイルステインで濃い茶色にして落ち着いた雰囲気に。2階の子世帯は木の色を生かして明るい空間に。どちらもほぼ同じ間取りですが、印象の全く異なる二世帯を1階の和室がつなぐプランとしました。庭の木々の成長を楽しめるダイニングの大きな窓は、日射を遮蔽しながら外気の影響も少なくなるように、ツー+ワン(2+1)と呼ばれる北欧の高断熱木製サッシを採用しています。断熱と日射のコントロール、通風の工夫で一年中暑くも寒くもない家となりました。