二つのEndeavourのこと
2017年春 友人プロデュースによるクラフトビールブランドEndeavourの立ち上げに建築側からお手伝いすることになりました。
乙部町はおいしく質の高い湧き水が豊富で、ガイボータというブランドで好評を得ていますが、この名水と地域の素材を生かしたクラフトビールを作ることになりました。設計は、上質のクラフトビール作りに適した環境を少ないエネルギーで実現する、同時にその場で出来立てのビールや、料理をおいしく楽しめる空間を作ることが最重要課題ですが、もう一道南の素材と技術できる限り生かすことも忘れていません。内外装には道南杉をはじめ、針葉樹から広葉樹に至るまで地元の製材所で挽いてもらい、手で触っても感じられるくらいの粗さとしました。
函館湯川のマイクロブルワリー&ビールバーEndeavour(エンデバー)
函館湯川の店舗では、窓の開口の幅や高さについて、一般的なガラス張り大開口は避け、かつ外を歩く人には好奇心をくすぐるような、でも店内のお客さんにとって、閉鎖的にならず、落ち着く開口を検討しました。インテリアは狭い空間の良さを演出できればと思っておりますが、実際ご来店いただき、味覚や触覚、視覚を敏感にすると、いろいろ感じていただけると思います。
乙部のクラフトビール工場&ビアレストラン Gild Endeavour
工場について、冷蔵に使うエネルギーが、一般的な同規模ビールプラントで想定されるものの1/3程度で緩やかな環境で実現できているようです。
工事中急きょレストラン厨房に薪を使う石窯が導入されることになりました。厨房は強力な業務用換気扇が回り、かつ石窯は自然吸気で煙突排気、そのままでは煙突から煙が逆流してしまいます。そこで換気計画をガラリと変更、例の少ない加圧換気としました。これはローコストで調整、メンテナンスしやすい、一方気密欠損があると内部結露しやすいというリスクもあり、現場チェックを徹底しました。
是非近くの温泉旅館にお泊り頂きエンデバーで、クラフトビールと料理を味わってみてください。多分納得していただけるかと思います。