フーム空間計画工房 北海道札幌市中央区 一級建築士事務所

お問い合せ

011-613-5702


北海道の家づくり[北のくらしデザインセンター]に参加しています。


ボイラーの話

 昨年引き渡したお宅へ冬に暖房の調子をたずねに行きました。その時奥様から「ボイラーの排気のにおいが少しするのだけど」といわれ、調べはじめたのがきっかけでした。確かにボイラー本体内部からガスが漏れていたのでメーカーに言いすぐに交換したのですが治まらずなんと5台交換しました。(灯油を高圧で霧状にして燃焼させる方式)
結局別な型のボイラー(灯油をヒーターで熱してガス化させ燃焼させる方式)に交換して様子を見ている状況です。

 この件に関して、メーカーの本社から技術の方と、私が札幌、旭川周辺で一緒に仕事をしている工務店の現場長を全員集め説明会を開きました。そこまでの経過と感想を送ってくれた方たちのメールを紹介しながら、ボイラーについての話をしてみたいと思います。

・・・まとめとして最後の
ボイラーについて知っておきたい大切なことをお読み下さい。

(宮島→関係者)

「床置き形給湯器からの排気の逆流についての説明会」のご案内

 床置き形給湯器を設置したお宅でボイラーからの排気の逆流が確認されました。同メーカーに対応を依頼しその後3台の同型ボイラーを設置しましたが同様の現象を確認しました。交換されたボイラーはA社の本社技術の方で原因を究明中と言う事です。結果的にこちらのお宅では壁掛け形のボイラーに交換したところその後数日ですが排気の逆流は確認されておりません。ここまで確認できた事をあげます。

1)ボイラーの交換にメーカー立ち会いの元、設備施工業者が行いその施工に不備があった可能性は極めて低い。

2)その後同タイプの給湯器を導入した現場を確認したところ、やはり同様の現象を確認したこと。

3)壁掛型ボイラーの場合コンパクトに納める必要から一体成型の部分が多くそれぞれのパーツのジョイント部分が少ない。 しかしこれは逆流をとめることを目的としたためではない。燃焼方式は灯油を電気ヒーターで気化させるガスタイプ

4)床置き形の場合スペースに余裕がある事でいくつかの構成パーツをボックスの中に組み込み納めているため結果的にジョイントが多い。燃焼方式は灯油を高圧で霧状に噴射させるガンタイプ

 以前私がお客さまとの話の中で 「床置型ボイラーは排気が逆流しやすい、B社の壁掛型が逆流しにくい。」と言う話をうかがいました。まさかと思い設備の専門家に伺ったところ「ボイラーは全ての型番について排気の逆流について検査が義務付けられている。逆流は一切あってはいけないし、もしおきたとすればたまたま不良品か現場の施工の問題だろう。」と言う話を伺いました。

 うかがったのはメーカーの方ではありませんが。しかし今回の状況から判断するとお客さまの話の信ぴょう性が俄然高まります。例えば今まで排気の逆流を感じていなかった現場でも普通の人の鼻で感じないだけで微量もれていたかもしれない。それもA社のこの型番のみ対策が不十分だったとは考えにくくそれ以前のタイプまた暖房ボイラーについても十分可能性が考えられます。

 排気の逆流は人体に深刻な影響を与えます。特に過敏症の方にとっては生命に関わる問題と言って過言でありません。この機会に原因を明確にして被害を最小限にくいとめたいと思います。 そこでA社から技術者を呼び3月25日木曜日午後(時間および場所未定)で原因と対策についての説明会を開く事になりました。以前から暖房、給湯にかかわらずボイラーに関して多くの疑問を持っておりましたのでこの機会に極力解決したいと思いますので特に工事関係者の方は時間が許せば参加していただきたいと思いますし、メーカー側も1か所だけではなく説明してまわっていただければ思います。

説明会の後で
(宮島→関係者、ユーザーのみなさまへ)

 本日お忙しい中、皆様参加頂き有り難うございます。 排気の問題は特にTさん(ユーザー)が参加し、発言していただいた事により我々住宅を建てる側にとっては一層切実な問題である事を痛感したしだいです。また我々の質問に対しても突っ込み不足を嘆いておられるのではと心配しております。 とりあえず私個人の感想などです I邸における床置き直圧給湯ボイラーの排気の問題がこじれ、自分なりに探って行くにつれ見えてきたことがありました。

1)今回の排気の逆流は故障でも施工不良でもなく、正常状態での使用における排気の逆流であった事

2)安全基準は逆流が全くないという検査ではなかった事

3)逆流が健著に感じられる型番とそうでないものがあるが、たまたまであり決して設計上排気の逆流防止策からきたものではないこと。

 壁掛け形ボイラーはコンパクト化のためにガス化しファンまで含めた一体成形した結果ジョイント数が減ったことと、燃焼ガスの成分が違ったから床置きに対して排気の報告例が少ない。

 25日3時からの説明会には「量やにおいに差はあるが全てのボイラーで逆流が確実にあると思っておいた方が良いのではないか。」という推察をもって参加しました。

  報告の中で排気の逆流が1000キロカロリーあたり0.5立方メートル/h以下のであれば基準を満たすという条件の中‥‥

 ・床置き直圧形のガンタイプは0.076立方メートル/h(ハイドロカーボン10PPM)
 ・壁掛け形のガス化タイプは0.01立方メートル/h(ハイドロカーボン検出されず)

この数値の違いは予想以上でした。ただしガス化についても着火時の状況がどのくらい反映されているかが分かりません。 一方暖房用のボイラーに関するデータは今回残念ながら用意されず、A社の方から後日提出していただく事になりました。暖房についてもガンタイプとガス化タイプとがありますのでその違いは注目されます。いずれにせよ排気ガスの逆流はあるでしょう。

注)ハイドロカーボンとは直訳すると液体炭素という事になりますが。今回は主に灯油、ガソリンなど石油系の燃料全般の事ではないかと思われます。検出されるという事は不完全燃焼を意味するものと推測します。間違っていたら教えて下さい。室内空気汚染や土壌汚染の測定で検出されるVOCです。

 逆流の指摘が今まで600台を販売して中6件、内一台は個体のシールの問題でコーキング処理で解決したという事は5件しかクレームがきていない事、基準値は大きく下回っているいる事から今の時点でメーカー側が対策にとり組むかどうかはトップに近い人間が英断を下さない限り難しいものと思われます。しかしこの600台すべてから敏感とはいいがたい我々でも気が付くほどの排気臭が上がっていることは間違いなく、人体に深刻な影響を与えている可能性は高いといわざる終えません。

 またこの型に限らず床置き直圧ボイラーの大半が量の差こそあれ同様の影響をあたえている可能性が高く、その他全てのボイラーに関しても間違っても安全とはいいがたいという結論です。

排気位置について

 また別な問題ですが排気の窓や吸気口からの侵入についても再検討が必要です。以前から屋根抜きであるべきと思いながら対応できるボイラーが無いのか(FEタイプはあるがレンジフードファンなどで強い負圧になった時の危険性が考えられる)壁だしの場合の一般的な縦横の離れは何の根拠もありません。実は窓、隙間、吸気口からの逆流の方が多いかもしれません。

温水温度について

 セントラルヒーティングでボイラーを低温設定での運転を進めているメーカーもあります。自分で試したところ設定温度を低くすると排気塔周辺のにおいが如実に悪化する事を確認しております。この件についてボイラーメーカーも同意見でより不完全燃焼が減り、排気の質、燃費、ボイラーの寿命に置いても高温での連続運転が好ましいという事でした。

最後に

 以前うかつにもお客さまの質問に対し自分が調べた結果、実験によりJIS基準をクリアーしていることだけを取り上げ、裏もとらずに「ボイラーからの排気の逆流は欠陥品でない限り後は現場施工の問題でしょう。」と答えてしまった事を大変恥ずかしく、軽卒に思い深く反省しております。この時点では排気イコール窓、吸気口などからの侵入対策にばかり気をとられておりました。これは東海村の臨界事故直後の通産省の安全宣言を信じた住民レベル以下です。

 つまりJISの基準も建築基準法も国民を守るためのものではなく、役人の天下り先を作るためのものでしかありません。結局メーカーを攻めてもなにも生まれず、我々自身で建て主さんをはじめ関係する人たちの安全性を守るしかないということでしょう。

 ボイラーは排気があちらこちらからもれて人体に深刻な影響を与える危険なものであるという認識を持って設置位置、排気塔位置、換気計画、通風計画をしっかり立てれば劇的に変化するはずです。今後100パーセント対応で行きたいと思います。一層気を引き締めて国を信じず、大手メーカー、組織を信じず、信用できる個人の集まり、自分達で確かめる。                                
3月26日  宮島 豊
説明会を終えて
(関係者→宮島)

 昨日はどうもありがとうございました。
 実は 最初ボイラーそのものに全く知識がなく 場違いに参加したのではと思いました。その後、T様の助言(死に迫る思い)を聞き ボイラーだけの問題ではなく、同じメーカーとして身にせまる思いにかき立てられ私が話した内容がその場に適していたか?を 意識せず喋ってしまった事はお詫び致します。

 しかし、この問題は「何の為に家を建てたか?」という基本的な問題や欲望から各設計者や業者等全ての方々が犯罪者になるという 点。既に昨日の内容を知った以上知らんふりは企業人としてではなく、人間としてのモラルにかける大きな問題点と感じました。 正直 素直に暴露して貰いたいと思っていますし、このテーマに関しては個人で伝達していく事を意識しています。
本当の闇の真実は まだまだあるのではないでしょうか?
もっと知りたいものですね。


(関係者→宮島)

昨日の説明会は我々の認識を変える勉強会になりました。
プランニング・換気・ボイラーの設置場所等、これからの課題です。
最後にハイドロカーボン。A社さんは未燃と言っていたので、 不完全燃焼によって出来る物質でいいと思います。


(関係者→宮島)

先日のボイラーの話では、この国の構造がいかに国民の方を向いていないか 改めて良くわかったような気がします。
大メーカーもそのことになんら疑問も持たずに平然としています。
国を動かしているごく一握りの人間達は本当にこの国の反映を望んでいるかと疑いがでてきます。 反映どころか、滅亡に導いている気さえしてきます。
私達、一国民がいなければ国は成立しませんし、特に未来をつくり上げてゆく子供達の存在が 国そのもののとなってゆくのに、どうして、その子供達を大切にしようと思わないのでしょうか? まったく、理解に苦しみます。

あ〜 段々、腹がたってきたのでこのへんにしておきます。


(参加ユーザー→宮島)

 家内には「自分がシックハウス患者が元気になっていくプロトタイプになるのだ」という使命感のようなものが感じられます。気持ちはよく分かります。毒づくことが出 来る自分はまだましなのだから、自分より重症の方たちに希望を持ってもらいたいという思いが強いのです。 彼女は昨日は丸1日、伏せておりました。やはりショールーム(および会議室)の空気はあまりよろしくなかったようです。

 しかし、それでも「私自身に直接プラスになることは少なかったけれど、出席した人たちは私が話している時は真剣に聞いていた し、会議の前後ではちょっとは変わってくれたと思うよ。自分の家族が発症したらということを身近に考えられるようになったんじゃないかな。」と言っております。 現場サイドの方たちに反響があって何よりです。

 600台中5台の確率で排気臭が生じると単純に考えますと、Iさんのお宅で起きた事例の確率は5/600×5/600=0.0069%ということになりますから、14400件に一例の確率になります。ですから、このような珍しいことがたまたま宮島さんの現場で起きたと考える方が変ですよね。間違いなく残りの595台にも問題があるのです。宮島さんは漏れを疑って調べたわけですから、2件このような事例が続くのは不思議はありません。

 プロが「漏れはないと思っていた」のですから、一般市民が知らないのは当然で、 「何かガス臭いけど、ボイラーなんてこんなもんなのかな。」と思っているので、それに対し疑問を持ったりすることがほとんどないのが実情なのでしょう。自然通気でスカスカの昔の住宅事情の頃に出来た規格を、今の気密住宅にそのまま適 応させているのですから、これでは堪ったものではないでしょうね。

 私たち夫婦に出来ることは僅かでしょうが、それでもお役に立てることがありましたらお伝え下さい。


(ユーザー→宮島)

今回は都合がつかず、参加できませんでしたので、ユーザーの立場から、とても率直に発言させて頂きたいと思います。

(1) ”1000キロカロリーあたり0.5立方メートル/h以下であれば基準を満たす”と言うのは本当でしょうか?信じられません。というのは我が家の場合、その数分の1 (0.076立方メートル/h)でさえ、あたかも車のアイドリング排気を室内に放出されたような耐え難い状 況となったからです。北方型住宅のように気密性の高い住宅で通用するような基準ではありません。 それを実証するためにも、今後、是非、測定して頂きたいのは、実際に暮らしている部屋における排気濃度のデータです。

 今回、メーカーの技術者がやって来ましたが、鼻で臭いをかいで、排気ガスが出ている、出ていない、という経験主義的調査に唖然としました。測定機器を持参して、排ガス濃度を科学的に調べるべきではないでしょうか?。室内の空気が、どういう物質でどれくらいの濃度で汚染されているのか、メーカーとして調査すべきではないでしょうか?”1000キロカロリーあたり0.5立方メートル/h以下なので基準を満たす”という立場ではなく、排ガスが健康被害をもたらす恐れがあるのですから、実際の使用現場で説明責任を果たすことがメーカーには求められていると思います。

(2) 床置きの代替機種として設置した壁掛け形のガス化タイプですが、残念ながら、これも臭いがリビングまでやって来ます。床置きタイプとは異なる”プラスティックを焼いたような”臭いです。これが安全なものかどうか、調査の必要性を感じています。

(3)暖房用ボイラーも若干ですが臭います。

(4)さらに言えば、玄関の外の空気が、排気ガスで強烈に臭いので参ってい ます。もう少し、臭いを消す技術的改良がメーカーとしてできないものでしょうか?
消臭(あるいは完全燃焼?)は技術的に可能だが、コストがかかのでしょうか?
根本的には電化にしない限り、この排ガスの臭いの問題は解決できないのでしょうか?
先ずは実態をよく調べて、状況を科学的に把握してから、次の手を検討して頂ければ幸甚です。
今後ともメーカー、建築家、工務店、建て主が協力しあって、寒冷地向け住宅設備の改善が進展することを期待しています。

<ボイラーについて知っておきたい大切なこと>

ボイラー本体からの燃焼ガスが元で室内空気を汚染する危険がある。
特に、直圧、床置きの給湯機は他のものに比べても多い。
メーカーの注意書きにも「機器は給気・排気が十分できる場所に設置して下さい」とある。
ボイラー室の換気に気をつける。
特に気密住宅で計画換気をしている場合、ボイラー室と居室と単独(独立)した換気ルートで排気する必要がある。
欠陥品ではなくJISの規格に合格しているもの全てについて同じことがいえる。
適切な処置(計画)がされていないところで、人により喘息や深刻な化学物質過敏症を起こしたり、より悪化させている例が多数ある。

はじめに工法エネルギー住環境ボイラーの話し

ホーム新着情報トピックはじめに設計と実績店鋪デザイン再生の記録職人と手仕事ギャラリー会社概要アクセスブログリンクメールサイトマップ