札幌の民家 再生の記録                  

改修前
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北海道建築の先駆者・田上義也が設計し、昭和4年に建造された城下邸。
この建物を構造補強し、なおかつ断熱・気密・換気・暖房を含めた全面改修をするという難工事がスタートした。

-外観-

-2階シリンダー部分-

内観建設等時の様子が伝わる部分。
開放的な空間で窓の開き方など擬洋風な感じがする。

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工事中
2階の屋根を取り払った状態。photo

予想はされていたが、かなりの傷み具合だった。外周の土台は腐っている。

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改修語
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屋根裏スペースをリビング、そして書斎に。天井の梁材は全て入れ替えた。

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2段ある段差は、1階の天井高さがそのまま現れたもの。

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建て具は新たにつくり直した。

 断 面 図 

城下邸断面図

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 構造・断熱・暖房・換気。改修計画の大きな柱     

改修計画における技術面には大きく3本の柱がある。

1)構造改修

最も重要なことで、これから安心して50年100年と住み継ぐための改修であるが、とにかく構造は飛躍的に強化しなければならない。まずは腐った外周まわりの土台の入れ替え、外壁の面 強度を上げるための構造用合版張り。2階床梁。小屋梁の大きなものへの差し替え、など。

2)断熱改修

文化的なものを保存するからには、「不快でも我慢」というのでは結局、住み継がれないで幕を閉じてしまうことになる。大事なことは、少なくとも現時点で最良の住環境が得られる器をつくること。幸い、構造補強のために外部を固めた構造用合版に防湿シートを張り、その外からボード状の断熱材を外張りし、さらにその上から通 気層をとり、外装を仕上げることができた。そして、屋根部分も同様に外側断熱とした。

3)暖房・換気改修

北欧やオランダ、ベルギーなどに行くと気がつくのだが、ほとんどの建物が軽く100年は経っていながら、窓は断熱サッシュに取り替えられ、その建物に見合ったセントラルヒーティングがセオリーどおりに施工されている。 1)2)がしっかりして初めて成り立つことだが、器の性能に対応した暖房計画、換気計画が必要になる。